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エミレーツ航空(EK)は6月11日、成田空港第2ターミナルに開設した「エミレーツ・ラウンジ」の開設式典と内覧会を開催した。EKが日本国内の空港に専用ラウンジを開設したのはこれが初めてで、世界で38ヶ所目のラウンジとなる。式典で挨拶したEK日本支社長のニック・リース氏は「日本線就航から13年間で専用ラウンジを開設できるまでに成長した。非常に感慨深い」と述べ、週4便での関空/ドバイ線開設から現在の成田、羽田、関空/ドバイ線のデイリー運航に至るまで、日本市場で順調な成長を続けてきたことをアピールした。

EK日本支社長のニック・リース氏 EKは02年に、日本とペルシャ湾岸地域を結ぶ最初の航空会社として関空/ドバイ線に就航。その後、10年に成田、13年6月に羽田への路線を開設し、これまでの利用者は300万人以上に上るという。リース氏は「日本の3つの主要なゲートウェイ」にデイリー運航していることの重要性を強調した上で「成田との協力関係は今後も強化する」と明言した。

 成田国際空港常務取締役事業部門長の?野?久氏は、EKが世界的に評価の高い同社の専用ラウンジを、日本では初めて成田空港にオープンしたことに対して感謝の意を表明。あわせて「EKが今後、日本でビジネスを拡大できるよう、できる限りサポートさせていただきたい」と意欲を示した。

EK空港サービス上級副社長のモハメッド・マター氏 来日したEK空港サービス上級副社長のモハメッド・マター氏は「日本路線のサービス拡充には高い優先順位を与えている」と説明。EKによると、成田のラウンジへの投資額は400万米ドル以上に上る。マター氏は「成田に専用ラウンジを開設したことで、日本での存在感をさらに高める」と述べるとともに「サービスの質には妥協しない」と強調した。

 本誌の取材に応じたリース氏は、EKが日本初の専用ラウンジを成田に設置した理由の1つとして「羽田線では上級クラスの利用者に無料送迎サービスを提供している。成田線の利用者にも、何らかの投資が必要と考えた」と述べた。なお、成田線の上級クラスについては、羽田線の就航以降も「羽田と同様に大きな需要がある。発着時間の違いなどから成田線を好む利用者は依然として多い」と説明した。

 成田線と羽田線のロードファクターについては、羽田線の就航後に成田線の機材をエアバスA380型機からボーイングB777-300型機に変更したことなどもあり「ともに2年前よりも上昇している」と強調。そのほか、近年では訪日外国人旅行者の利用者が増加していることについても言及し「日本線は良いバランスが取れるようになってきた。日本市場での成長には満足している」と総括した。

内覧会の様子 新たなラウンジは、同社のファーストクラスおよびビジネスクラスの利用客、会員プログラム「エミレーツ・スカイワーズ」のゴールド会員とプラチナ会員が利用可能。約940平方メートルのラウンジ内には革張りのシートを174席設置し、食事は日本料理やアラブ料理を含む多彩なハラルフードをビュッフェ形式で提供する。

 内装は、ドバイ国際空港内ラウンジのモダンな雰囲気を踏襲しながらも、日本らしさを意識したアート作品などを随所に配置。そのほかにはシャワールームやビジネスセンター、礼拝室、噴水なども設置した。WiFiサービスも無料で提供する。なお、EKによれば同ラウンジは、5月1日にソフトオープンしているという。

 日本航空(JL)は8月1日から9月30日までの発券分について、日本発着の燃油サーチャージ額を現行のまま据え置くと発表した。4月から5月のシンガポールケロシン市況価格の平均が1バレルあたり74.76米ドルとなり、為替平均の1米ドル120.10円を乗じた円換算額が8979円となったため。

 設定額は最も低い韓国・極東ロシア区間が片道500円で、最も高い北米・欧州・中東・オセアニア区間は片道10万500円。10月以降発券分の燃油サーチャージ額については8月に案内する。

大韓航空(KE)は6月11日からブラジルのゴル航空(G3)と、ブラジル国内線に関して共同運航を開始する。ブラジル政府の認可取得が条件。KEは現在、仁川/サンパウロ線を自社便で運航している。

 対象路線はサンパウロ/リオデジャネイロ、ブラジリア、マナウス線など16路線。スカイパス会員は共同運航便の利用時にも、マイレージを加算できる。

 なお、KEはG3以外に、スカイチーム所属メンバーを中心とする航空会社33社と、219路線で共同運航を実施している。

 ルフトハンザ・グループは、GDSでの予約・発券に対して手数料を導入する。「Distribution Cost Charge(DCC)」と名付けたもので、GDSのセグメントフィーの負担を旅行者に求める形。9月1日以降の発券分が対象で、発券1回あたり16ユーロを自動で徴収する。

 グループの自社サイトでの直販や旅行会社向けサイトでの販売についてはDCCを徴収しない。このため、同じクラスの運賃であれば、GDS経由で流通するだけで自動的に直接の取り引きよりも16ユーロ高くなることとなる。

 対象はルフトハンザ・ドイツ航空(LH)、スイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)、オーストリア航空(OS)、ブリュッセル航空(SN)の航空券。

 発表文では、流通コストをコストの発生源に応じて運賃に反映すると説明。GDSについては、旅客にとって航空券の予約だけでなく旅行会社が提供する各種サービスなどのメリットを享受できる仕組みであるものの、グループにとっては年あたり億ユーロ単位のコスト発生源になっているとしている。

 DCCはルフトハンザ側の利益確保策だが、燃油サーチャージと同様に旅行者の理解を求める役割が旅行会社に課されることが懸念される。

 全日本空輸(NH)は10月25日から、デイリー運航を実施している成田/パリ線を運休する。2014年春に羽田/パリ線の運航を開始して以来、搭乗率が低迷していたことを受けたもので、羽田線については成田線の運休以降、現在使用しているボーイングB787-8型機から、座席数の多いB787-9型機に入れ替える。

 NHによれば、羽田/パリ線の運航開始により、2014年の成田/パリ線の搭乗率は前年比14ポイント減の64%に低下。一方、羽田/パリ線の14年の搭乗率は、成田線を上回る72%を記録しているという。同社はそのほか、エールフランス航空(AF)が10年にエアバスA380型機を成田/パリ線に導入して以来、競争環境が激化していることも理由に上げた。既に入っている10月25日以降の予約については、羽田/パリ線またはその他の欧州線への振り替えをすすめるという。

 なお、同社は成田と羽田の両方をハブ空港として強化する方針は変えないとしている。6月1日には、15年冬ダイヤから成田/ブリュッセル線に就航する計画を明らかにしたところ。運航開始日やダイヤ、機材などの詳細については追って発表する予定。

 全日空(NH)は15年冬ダイヤから、成田/ブリュッセル線に就航する計画を明らかににした。NHは現在、欧州へは成田または羽田からフランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ロンドン、パリに就航しており、ブリュッセル線は6路線目となる。運航開始日やダイヤ、機材などの詳細については追って発表する。

 ブリュッセルはベルギーの首都で、欧州連合(EU)本部や北大西洋条約機構(NATO)本部などがあるほか、多くの日本企業や多国籍企業が進出するなど、欧州における政治経済の中心都市の1つであること、観光資源も多いことなどを考慮した。NHによれば、空路による日本からブリュッセルへの渡航者は、年間約9万人に上るという。現在、日本/ベルギー間で直行便は運航されていない。

 ブリュッセル国際空港については、ルフトハンザグループに属するブリュッセル航空(SN)がハブ空港として使用。NHでは同グループのルフトハンザ・ドイツ航空(LH)などとジョイントベンチャーを実施していることから、ブリュッセルで乗り換えることにより、欧州全域への渡航に関する選択肢がさらに増加するとしている。


 中国東方航空(MU)は6月、関空/寧波線と関空/長沙/昆明線を増便する。関係国政府の認可取得が条件だ。関空/寧波線は6月12日から週2便を週4便に、関空/長沙/昆明線は6月18日から週2便を週3便に変更する。増便により、さらなる需要喚起をはかる。

 機材は関空/寧波線がエアバスA320型機で、関空/長沙/昆明線はボーイングB737-800型機を使用。座席数はA320型機がビジネスクラス8席、エコノミークラス148席の計156席で、B737-800型機はビジネスクラス8席、エコノミークラス160席の計168席。

 なお、新関西国際空港によると今回の増便により、MUは関空から上海、北京、青島などの12都市、計週61便を運航することとなる。増便分の運航スケジュールは下記の通り。

▽MU、増便分 運航スケジュール
・関空/寧波線(6月12日?10月24日)
MU2098便 KIX 13時50分発/NGB 16時20分着(月、金)
MU2097便 NGB 09時30分発/KIX 12時50分着(月、金)

・関空/長沙/昆明線(6月18日?10月24日)
MU2570便 KIX 19時15分発/CSX 21時45分着 22時45分発/KMG 00時50分着※翌日(木)
MU2569便 KMG 10時45分発/CSX 13時00分着 13時55分発/KIX 18時15分着(木)

ガルーダ・インドネシア航空(GA)は日本発着の国際線について、5月14日発券分から無料受託手荷物の許容量を拡大した。ファーストクラスはこれまでの50キログラムから64キログラムに、ビジネスクラスは40キログラムから64キログラムに、エコノミークラスは30キログラムから46キログラムに変更した。

 サイズについては、1辺が120センチメートル以下もしくは3辺の合計が203センチメートル以下で、1個の重量は32キログラム以下まで。制限重量内であれば、個数は問わない。

 なお、以前から通常の受託手荷物とは別に実施してきた、23キログラム以下のスポーツ用品や楽器を1名1セットまで無料で受託するサービスも継続しておこなうという。

フィリピン航空(PR)は7月18日から、関空/セブ線を増便し、デイリーで運航する。関係国政府の認可取得が条件だ。同路線は現在週4便で運航しているが、火、水、土曜日を増便する。これにより、PRは関空からセブとマニラにそれぞれ1日1便、週14便運航することとなる。

 運航機材はエアバスA321-200型機で、ビジネスクラス11席、エコノミークラス183席の計194席。運航スケジュールは以下のとおり。

▽PR 関空/セブ線運航スケジュール(7月18日?)
PR409便 KIX 15時40分発/CEB 19時30分着(毎日)
PR410便 CEB 09時15分発/KIX 14時40分着(毎日)

 エチオピア航空(ET)は4月22日、成田/アディスアベバ線に週3便で就航した。同社が日本路線を開設するのは今回が初めて。現在はエジプト航空(MS)が日本線を運休しているため、成田/アディスアベバ線はアフリカへの唯一の定期便となる。同社は翌23日に都内で記者説明会を開催し、来日した同社最高経営責任者(CEO)のテウォルデ・ゲブレマリアム氏が挨拶。「20年もの間、どうすれば日本に就航できるかを考えていた。昨日の初便には感激した」と喜びを語るとともに、今後の増便や羽田線の就航にも意欲を示した。

 テウォルデ氏は、同社が現在、東アジア方面については北京、上海、広州、香港線をデイリー運航、仁川線を香港経由で週4便運航していることを説明。その上で、「世界第3位の経済大国である日本が欠けていることを、長い間懸念していた」と語った。また、早期に成田線を増便したい考えを示し、デイリー化についても「市場の状況を精査した上で、是非実現させたい」と意欲を見せた。

 あわせて将来的には、羽田線の就航も希望していることを説明。既に同空港の発着枠獲得に向け、国土交通省に申請を済ませたことを明らかにし、「スロットが空くことを心待ちにしている。我々も羽田を利用できれば嬉しい」と述べた。なお、同社は既に同じスターアライアンスに属する全日空(NH)とコードシェアを開始しており、羽田にはNHが運航するバンコク線で乗り入れている状態。そのほか、成田/香港線でもNHとのコードシェアを実施しているため、実質はデイリーで東京/アディスアベバ間を運航していることになる。

 NHとの協力体制についてテウォルデ氏は、コードシェアの実施やマイレージプログラムの連携などをおこなっていることを強調。「日本の利用者へのメリットを大きい」とした。2025年を目途にNHがアフリカ線の開設を計画していることについては、「必要があればサポートしたい」とした。

 そのほかには、4月25日にノンストップ化したアディスアベバ/サンパウロ線についても言及。日本市場向けには、観光および商用に加えて、日系ブラジル人の里帰りなどでの活用を促したい考えを示した。また、テウォルデ氏はエチオピア観光協会の理事も務めていることから、「政府は観光への注力を優先項目に挙げている」と強調。ETもウェブサイト上で旅行商品の販売に取り組んでいることをアピールした。

就航記念レセプションで挨拶するテウォルデ氏 この日は、日本とアフリカの政財界の関係者を招き、就航記念レセプションも開催。テウォルデ氏のほかET日本支社長のメサイ・S・メンギスツ氏、国土交通副大臣の西村明宏氏、衆議院議員で日本アフリカ連合友好議員連盟会長の逢沢一郎氏らが登壇し、今後の日本とアフリカの交流拡大に対する期待を示した。

 なお、成田線の使用機材は全270席のボーイングB787-8型機で、ETによれば初便の搭乗率は、アディスアベバ発については80%台後半を記録。多くがエチオピア人で、商用の利用者に加えて、150名近い観光客が搭乗した。一方、成田発は4割程度にとどまり、そのほとんどが日本人観光客。クラブツーリズムやユーラシア旅行社などがツアーを催行した。ちなみに同路線は香港経由運航するため、香港/アディスアベバ間のみの利用者も一定数いたという。ETでは引き続き、アフリカの49都市にネットワーク展開していることや、昨年にエボラ出血熱が流行した国々には就航していないことなどを強調して、利用者の拡大をはかる方針。