航空会社情報の記事一覧

 全日空(NH)は2015年冬ダイヤが始まる10月25日から、羽田/広州線を新規開設するとともに、羽田/北京、上海線を増便する。5月に日中の航空当局間でおこなわれた非公式協議で、羽田の昼間時間帯に北京、上海、広州の3都市への路線がそれぞれ1日4便ずつ開設できるようになったことを受けたもの。広州線の運航はNHとして初めて。また、上海線は現在虹橋空港に就航しているが、増便分はスロットなどの関係から浦東空港を利用する。

 NHによると、同路線の主なターゲットは中国発の訪日観光客。日本発のビジネス客の利用も見込んでいるという。広州線は中国国内の需要の高さから新規開設を決定。また、北京、上海線も中国人観光客を中心に好調に推移していることを踏まえ増便を決めたという。今回の増便分のスケジュールは中国を朝に出発し、羽田を夕方ごろに出発する、訪日客にとって便利なスケジュールとなっている。

 NHでは14年春の羽田の発着枠拡大を契機に、羽田を際内の乗継拠点と位置づけてネットワークを強化してきたところ。今回の新設、増便においても、地方発の需要を見込んでいるとした。運航機材は3路線ともボーイングB767-300型機で、ビジネスクラス35席、エコノミークラス179席の計214席。 

 NHでは新規路線開設と増便を記念し、日本/中国線で、期間限定のエコノミークラス割引運賃「Super Value」を設定。成田、羽田/北京、上海、広州線は8月4日から18日まで販売し、運賃は例えば東京/北京線が往復3万9000円から。対象となる出発期間は10月25日から11月30日まで。また、中部/上海線は、販売期間が8月4日から12月10日、出発期間が10月25日から12月31日で、運賃は往復で1万9000円から。燃油サーチャージは別途徴収する。

 羽田線の新規就航・増便分のスケジュールは以下の通り。なお、東京/北京間の路線については、冬ダイヤから現在ダブルデイリーで運航中の成田/北京線を減便し、デイリー運航とする。


▽NH 羽田線 新規開設・増便分(10月25日?)

・広州線
NH923便 HND 09時25分発/CAN 13時50分着(デイリー)
NH924便 CAN 15時05分発/HND 20時00分着(デイリー)

・北京線(増便分)
NH963便 HND 17時25分発/PEK 20時35分着(デイリー)
NH964便 PEK 08時30分発/HND 12時45分着(デイリー)
※NH964便は10月26日から運航

・上海(浦東)線 増便分
NH971便 HND 18時30分発/PVG 21時10分着(デイリー)
NH972便 HND 08時20分発/PVG 12時05分着(デイリー)
※NH972便は10月26日から運航

デルタ航空(DL)は2016年1月、成田/ラスベガス、デトロイト線の臨時便を運航する。
1月6日から9日にラスベガスで開催される、電子工学関連の展示会「2016年インターナショナルCES」と、
11日から24日にデトロイトで開催されるモーターショーにあわせたもの。使用機材は両路線ともに
エアバスA330-300型機で、ビジネスクラスが33席、プレミアムエコノミークラスが32席、
エコノミークラスが227席の計292席。

 同社によると、成田/ラスベガス線は現在、どの航空会社も定期直行便を運航しておらず、
DLでは13年から、顧客からの要望をうけて、展示会の時期に臨時便を運航。来年で4回目となる。
今回は成田発ラスベガス行きは最も出発のニーズが大きいという1月4日に2便、5日に1便を運航。
ラスベガス発成田行きの帰国便は、4日と9日、10日にそれぞれ1便を運航する。

 一方、成田/デトロイト線は、DLでは現在1日1便で運航しているところ。今回のモーターショーに
合わせて、1月10日と11日の2日間、成田発デトロイト行きを1日2便へ増便する。

 臨時便の運航スケジュールは下記の通り。

▽DL、成田/ラスベガス、デトロイト線臨時便 運航スケジュール

・成田発ラスベガス行き
DL06便 NRT 15時00分発/LAS 08時15分着(1月4日)
DL04便 NRT 17時40分発/LAS 10時55分着(1月4日、5日)

・ラスベガス発成田行き
DL05便 LAS 11時01分発/NRT 16時00分着※翌日(1月4日)
DL57便 LAS 10時16分発/NRT 15時15分着※翌日(1月9日、10日)

・成田発デトロイト行き
DL09便 NRT 19時45分発/DTW 17時44分着(1月10日、11日)

スターアライアンスはこのほど、世界一周運賃の対象にプレミアムエコノミークラスを含めると発表した。世界一周運賃はファーストクラスが3種類、ビジネスクラスが4種類、エコノミークラスが7種類あるが、これにプレミアムエコノミークラスの3種類が加わった。

運賃、旅行する飛行距離に応じて2万9000マイル、3万4000マイル、3万9000マイルの3段階のマイル数を設定。マイル数以内で自由に旅程を選択することが可能だ。プレミアムエコノミークラスの運賃では、同クラスを提供している、エア・カナダ、中国国際航空、ニュージーランド航空、全日空、エバー航空、ルフトハンザ・ドイツ航空、LOTポーランド航空、スカンジナビア航空、シンガポール航空、タイ国際航空、トルコ航空の11社が利用できる。なお、11社以外の加盟航空会社も旅程に含めることも可能だが、エコノミークラスでの利用となる。

 なお、世界一周運賃の場合、2歳から11歳の小児運賃は大人運賃の75%、または座席を必要としない2歳未満の幼児は大人運賃の10%が適用される。旅行の開始と帰着国が同じで、一般的には東回りまたは西回りの同方向の渡航が条件。旅程全体を通して最低3回の24時間以上の滞在が必要で、最大5回から15回の途中降機が可能だ。


ANA、16年ぶりに豪州線を復活


 ANA<9202>は、12月11日から16年ぶりにオーストラリア線を復活させる。羽田とシドニーをノンストップで結ぶ。同社は現在、北米・欧州・アジアの路線拡充を進め、日系航空会社として最大の国際線ネットワークを構築しているが、これに羽田=シドニー線も加わる。羽田を夜に出発し、朝に帰着するダイヤで運航することで、地方空港との乗り継ぎの利便性も大きく向上する。また、夜間に運航することから、ビジネスクラスにフルフラットシートを装備した最新鋭機ボーイング787-9を投入する。

 シドニー線は、ANAが2015年度に新たに就航するヒューストン線、クアラルンプール線、ブリュッセル線に続く4番目の新規路線だ。

中国南方航空(CZ)は7月25日、茨城/深セン線を開設した。使用機材はエアバスA320型機で、
座席数はビジネスクラス8席、エコノミークラス143席の計151席。土曜日と日曜日の週2便で
運航する。深セン発茨城行の初便搭乗者数は128名。茨城発は非公開とした。

 CZによると、同社が茨城に就航するのは今回が初めて。CZでは中国からの訪日需要の増加に
対応するため、路線の拡充をはかっているところで、深センと茨城県つくば市は科学技術交流に
おける需要の増加が期待できることから、今回の就航が決定したという。

 現在の利用者は約9割が中国発で、約1割が日本発。CZによると今後は訪日が約8割、
日本発が約2割となる予想だ。ターゲット層については、深セン発が同市の富裕層観光客で、
日本発に関しては中国の各地への観光客などとした。運航スケジュールは下記の通り。


▽CZ、茨城/深セン線運航スケジュール
CZ6041便 SZX 10時00分発/IBR 14時50分着(土、日)
CZ6042便 IBR 16時00分発/SZX 20時00分着(土、日)

全日空(NH)はこのほど、ヒューストン空港におけるユナイテッド航空(UA)の国際線との乗り継ぎに
関して、荷物の一時受け取りを不要とした。米国の国土安全保障省税関・国境取締局から
「I to I Program(International-to-International Baggage Program)」の適用が認可されたことに
ともなうもの。同プログラムが認可されたのは、日本の航空会社としては初めてという。

 今後、成田発ヒューストン行きのNH174便からUAが運航する国際線に乗り継ぐ利用者および、
UA国際線からヒューストン発成田行きのNH173便に乗り継ぐ利用者は、ヒューストン空港での
荷物の一時受け取りが不要となる。すでに成田発は7月20日から、ヒューストン発は23日から
開始している。

 ヒューストン空港はUAのハブ空港の1つで、UAはメキシコなどの中南米諸国にネットワークを
展開。NHとUAは乗継利便性の向上をめざし、2時間以内に乗継可能なメキシコへのコードシェア便
を、現在のカンクンとモンテレイの2路線から、2015年冬ダイヤには7路線に拡大する。
新たな対象路線はメキシコシティ、レオン、アグアスカリエンテス、ケレタロ、グアダラハラ。

 全日空(NH)は12月11日から、羽田/シドニー線を開設する。デイリーで運航する計画で、関係当局の認可が前提だ。運賃の発表と航空券の予約・販売は8月ごろ開始する予定。シドニーへの就航は、1999年の関空/ブリスベン/シドニー線の運休以来、約16年ぶり。

 同路線は羽田の深夜早朝枠を利用する。2011年の日豪航空当局間協議では、羽田について深夜早朝枠の発着権で未使用のものを活用すれば、羽田/豪州線の就航は可能としていた。また、NHでは羽田夜発、朝着のスケジュールで運航することで、NHの国内線との乗り継ぎが可能となり、国内各地発の顧客の利便性が高まる点をアピール。なお、羽田の深夜早朝枠は23時から翌6時までだが、22時台、6時台については昼間時間帯枠と深夜早朝枠とで併用できる。

 オーストラリア政府観光局(TA)によると、2014年の日本人訪問者数は前年比0.6%増の32万6500人。また、日本政府観光局(JNTO)によると、オーストラリアから日本への訪問者数は21.9%増の34万7339人と増加している。NHではこうした2国間流動の拡大に加え、今年1月の日豪経済連携協定(EPA)の発効により、さらなる需要の増加が期待できることから、就航を決定したという。羽田/シドニー線は8月からカンタス航空(QF)が就航する予定だが、NHでは十分な需要が見込めるとした。ロードファクターの目標は7割で、日本発に加えオーストラリア発の訪日需要の取り込みもめざす。

 加えて、長らくNHのネットワークで空白地帯だったオセアニアへの就航により、国際線ネットワークの拡充もはかる。運航機材はボーイングB787-9型機で、ビジネスクラス48席、エコノミークラス167席の計215席とした。

エアアジアX(D7)は現在、国土交通省と米国運輸省(DOT)に関空/ホノルル線の就航を
申請している。デイリー運航中のクアラルンプール/関空線を延伸してホノルルへ乗り入れる
もので、早ければ11月にも週4便で運航を開始する。使用機材は現行のエアバスA330-300型機で、
座席数もビジネスクラス12席を含む全377席のままとする予定。日本とマレーシアは2011年に
実施した航空協議で、首都圏空港以外の空港について以遠権を自由化している。


 就航が実現すれば、エアアジアグループによる初のハワイ路線となる。ホノルルには現在、
ジェットスター航空(JQ)がシドニーなどから就航しているが、アジア系のLCCがホノルルに
乗り入れるのは、これが初めてと見られる。

 D7によれば、関空/ホノルル間のみの利用も可能となる見通しで、同社では日本人を
メインターゲットとしつつ、韓国や中国など周辺国からの需要も取り込む考え。
マレーシアおよびその周辺国からホノルルへの利用者は、ビザ取得要件のハードルの高さや、
デスティネーションとしての人気度などから、少なくなる見込み。


 なお、ハワイ州観光局(HTJ)は、D7のホノルル線就航については「選択肢の幅が広がるし、
そもそも既存の航空会社だけでは席数に限りがある」として、歓迎の意を示している。

エアアジアX(D7)は10月を目途に、新千歳/クアラルンプール線の直行便の運航を開始する。
現在は国土交通省などの関係当局に申請中で、日本路線の就航地としては成田、羽田、関空に
次ぎ4都市目。就航が実現すれば、FSCを含めて同路線を運航する唯一の航空会社となる。
使用機材はエアバスA330型機で、ビジネスクラス12席を含む全377席。

 D7は現在、新千歳/バンコク(ドンムアン)線をチャーター便としてデイリー運航しているが、
このほど8月1日からの運休を発表したところ。今年3月に国際民間航空機関(ICAO)がタイ航空
当局の安全審査体制の不備を指摘したことから、国土交通省はタイの航空会社による日本路線の
新規就航などの認可を制限しており、同社は5月1日から就航予定だったタイ・エアアジアX(XJ)の
代替として運航していた。

 D7のクアラルンプール発日本行き便の利用者のうち、約6割はマレーシア国内および周辺国
からの乗継客。新千歳/バンコク線を運休する一方で、新千歳/クアラルンプール線の運航が
開始されれば、バンコク経由で訪日していた観光客の需要が、クアラルンプール経由へと
シフトしていくことも予想される。

ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は8月15日まで、ビジネスクラスの運賃で片道をファーストクラスに
アップグレードできる特別運賃を販売中だ。対象路線は成田/ロンドン線を含む英国11都市への
路線と、ロンドン経由の欧州33都市への路線。運賃は往復44万円から。燃油サーチャージや諸税、
空港施設利用料などは別途徴収する。コールセンターまたは旅行会社経由で販売しており、
BAのウェブサイトでも順次対応中だ。

 アップグレードは往復どちらでも利用が可能で、航空券を購入する際に最初に指定が必要。旅行期間は8月31日日本発便までとした。