イタリア地震 死者247人 余震続き不安広がる / 2016年8月26日

イタリア中部で、24日未明に発生した地震では、25日朝の時点で確認された死者は247人となり、一夜で90人近く増えました。現地では、余震が続いていることから、さらなる被害が出るのではないかとの不安が広がっています。

24日午前3時半ごろ、日本時間の24日午前10時半ごろ、イタリア中部で発生したマグ二チュ―ド6.2の地震では、アマトリーチェなど4つの自治体で壊滅的な被害が報告されていて、イタリア政府は24日夜から25日朝までの間に死者が90人近く増えて、247人の死亡が確認されたと発表しました。

被害が広がった背景には、建物の多くが100年以上前に建てられた歴史的な建物で、景観を守るなどの目的でほぼ当時のまま残され、耐震性に十分に配慮した構造ではないことがあると指摘されています。また、地震発生当時、アマトリーチェには避暑などのため多くの人が訪れていたとみられていて、市内にどのくらいの人が実際にいたのかを把握しにくい状況にもなっているということです。

現地では、今も余震が続いていて、アマトリーチェの一部の道路では、新たに亀裂が見つかるなど、余震によるとみられる被害も出ています。住民の間では余震によってさらなる被害が出るのではないかとの不安が広がっていて、救助隊も安全に細心の注意を払いながら、行方不明になっている人たちの捜索を懸命に続けています。


余震続き中心部への立ち入り制限

壊滅的な被害が出たアマトリーチェでは、余震が続いているため、新たな建物の倒壊などさらなる被害が出ることが懸念されていて、警察は、中心部への立ち入りを25日朝から厳しく制限しています。

イタリア中部では、24日から25日朝にかけて、体で揺れを感じる地震が数回起きていて、アマトリーチェの中心部に通じる道路では、24日の地震のあとにはなかった亀裂が多数見つかるなど、新たな被害が出ています。一部の道路は崖に面しているため、これ以上崩れると危険な状態となっていて、25日朝、道路工事などで使われるプラスチック製のブロックを置いて、人が立ち入らないようにする作業が行われました。作業にボランティアで参加した近くの町に住む男性は、「きのうは揺れを感じる余震が4?5回ほどあった。道路が崩れる危険が高まっているので、誰も近づかないようにしなければならない」と話していました。

また、24日までは市民や報道関係者が立ち入ることができた中心部につながる道には、警察などが25日朝から厳重な警備を敷いて出入りを厳しく制限し、入れなくなりました。