アシアナ、ソウルで大規模ファム、MERSからの回復アピール / 2015年7月27日

アシアナ航空(OZ)は7月24日から26日にかけて、韓国観光公社(KTO)と共同でソウルに日本の
旅行業界関係者を招き、ファムツアーを実施した。5月の中東呼吸器症候群(MERS)発生以降、
減少している訪韓日本人旅行者数の回復に向けたもので、旅行会社や地方自治体、報道機関、
親善団体などからの参加者数は約390名に上った。同ツアーには2社のほか、仁川国際空港や
ロッテ免税店なども協力。普段と同じ平穏を取り戻したソウルの姿をアピールした。

 参加者一行のうち首都圏発のグループは、24日午前にソウルに到着後、明洞や仁寺洞などの
繁華街を視察。平日の昼間で、さらに雨天ではあったものの、普段と同様に街を行き交う人々や、
営業をおこなう店舗を目の当たりにした参加者からは「誰もマスクなどしていないし、これまでの
ソウルと変わらない」「以前との違いは、日本人旅行者が少ないことだけ」といった声が多く
聞かれた。また、7月に入ってからは新たな患者が発生していないことなどから「状況が
落ち着いていることは想像していた」という参加者も多く、「いつもと同じソウルに戻ったことを
確信した」といった意見も挙がった。

KTO国際観光本部長の李在成氏  24日の夜にはロッテホテルで、KTOの主催による晩餐会を
実施。冒頭で挨拶したKTO国際観光本部長の李在成氏は「政府と国民の努力により、MERSは
事実上の収束段階にある」と宣言した。また、「近いうちに(世界保健機関の)収束宣言が出される
だろう」と述べ、宣言が出された際には関係者が力をあわせて、積極的な情報発信をおこなうよう
呼びかけた。

 本誌の取材に応えた李氏は、MERS発生後の訪韓日本人旅行者数については「正確な数は
まだわからないが、前年から20%ぐらい減少したのでは」と語り、大きな影響があったことを説明。
ただし、MERSの拡大は院内感染によるものが主で、外国人旅行者には被害が出ていないこと
などから、収束宣言が出された後には早期の回復が期待できるとした。