訪日外国人の延べ宿泊者数、14年は34%増 / 2015年4月 6日

観光庁は3月26日、宿泊旅行統計調査の結果を発表した。2014年の外国人の延べ宿泊者数(速報値)は4482万人泊で前年に比べて33.8%増加した。年間の訪日外国人旅行者数が1341万人に達したことに伴い、過去最高を記録した。日本人を含めた延べ宿泊者数4億7232万人泊に占める外国人の割合は9.5%に上昇し、約10人に1人が外国人になった。

 外国人の延べ宿泊者数では、40都道府県が前年の実績を上回った。

 都道府県別の外国人延べ宿泊者数の上位は、(1)東京都1345万人泊(2)大阪府584万人泊(3)北海道403万人泊(4)京都府341万人泊(5)千葉県275万人泊(6)沖縄県231万人泊(7)愛知県149万人泊(8)福岡県133万人泊(9)神奈川県132万人泊(10)山梨県94万人泊。

 上位10都道府県は、外国人旅行者が多く訪れるゴールデンルート上の都府県、または国際線の充実した空港を持つ道県が占めた。外国人延べ宿泊者数全体に占める上位10都道府県の構成比は約82.3%に達した。

 一方で31県が全体に占める構成比が1%に満たなかった。ゴールデンルート、北海道、沖縄、福岡などに偏っており、新たな広域観光周遊ルートの形成など、外国人旅行者を地方に誘導する施策が課題となっている現状を裏付けた。

 国.地域別の延べ宿泊数は、台湾が783万人泊(前年比26.6%増)、中国が764万人泊(同84.3%増)、韓国が422万人泊(同11.8%増)、米国が312万人泊(同7.9%増)、香港が311万人泊(同22.0%増)、タイが198万人泊(38.4%増)、豪州が117万人泊(同31.8%増)などだった。

 都道府県それぞれに外国人の国.地域別構成比を見ると、台湾は北海道、東北、北陸信越、沖縄など25道県で最多の構成比だった。中国は東京、千葉、山梨、愛知、大阪などゴールデンルート上を中心に10都府県で最多。韓国は九州を中心に8県で最多だった。

 日本人を含めた延べ宿泊者数全体に占める外国人の割合は、10年が7.5%で、東日本大震災が起きた11年が4.4%に落ち込んだが、12年には6.0%、13年には7.2%となり、14年は9.5%に上昇した。

 外国人の延べ宿泊者数を宿泊した施設のタイプ別に見ると、構成比はシティホテルが41.4%(日本人を含む全体の構成比15.6%)で最多。以下はビジネスホテルが32.1%(同41.3%)、リゾートホテルが12.9%(同14.2%)、旅館が9.8%(同21.9%)だった。