ANA、ホノルルにA380対応ラウンジ 19年春、2階席に直接搭乗 / 2018年5月31日

全日本空輸(ANA/NH)は5月30日、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(旧称ホノルル国際空港)に新設するラウンジの詳細を発表した。2019年春に就航を予定している総2階建ての超大型機エアバスA380型機に対応した構造で、ファーストクラスがあるアッパーデッキ(2階席)へ直接搭乗できる。就航先の海外空港に、ANAが自社ラウンジを開設するのは初めて。

ANAがホノルルに開設するANA LOUNGE(イメージ、同社提供)

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ホノルル最大
ファーストはドア付き個室

ホノルル最大

 ANAは現在、ホノルルでは提携関係にあるユナイテッド航空(UAL/UA)のラウンジ「ユナイテッドクラブ」を使用。30日の会見で、ANAの平子裕志社長は、自社ラウンジについて「イノウエ空港最大で、広さは他社の倍以上は確保している」と説明した。A380就航に合わせて自社ラウンジを新設する方針は、ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長が、2017年11月に明らかにしていた。

ANAがホノルルに開設するANA SUITE LOUNGE(イメージ、同社提供)

ラウンジからA380への搭乗イメージ(ANA提供)

 自社ラウンジは、ターミナル2(5月31日まではメインターミナル)の3階、エバ・コンコースにあるC4(同29番)搭乗口上に新設。ファーストクラスの乗客やマイレージサービス最上級会員用の「ANAスイートラウンジ」と、ビジネスクラス客などが使える「ANAラウンジ」を設ける。

 ラウンジのある3階搭乗口からはアッパーデッキへ、2階搭乗口からはメインデッキ(1階席)へ搭乗できる。

 エントランスには、日本の伝統家屋様式「格天井(ごうてんじょう)」や「三和土(たたき)」などを、ハワイらしさが感じられる木材や玄武岩といった素材を用いて取り入れる。

 スイートラウンジは、搭乗口にもっとも近い場所に設置。ANAラウンジには、潮溜まりをイメージした「ファミリーエリア」を設ける。

ファーストはドア付き個室

 ANAHDは、A380の新造機を3機購入。座席数は4クラス520席(ファースト8席、ビジネス56席、プレミアムエコノミー73席、エコノミー383席)で、エンジンはロールス・ロイス製トレント900を選定した。


 「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」と名付け、全機にハワイの空と海、夕陽をイメージした特別塗装を施す。初号機(登録番号JA381A)が青(ANAブルー)、2号機(JA382A)が深緑(エメラルドグリーン)、3号機(JA383A)がオレンジ(サンセットオレンジ)と、1機ごとに色が異なるデザインが採用された。

 ANAのホノルル線では初のファーストクラスとなり、日本初のドアを備えた個室型シートを導入。ビジネスクラスは、家族やカップルが隣同士で座れるペアシートを取り入れ、エコノミーには、日本の航空会社では初となる、ベッドのように使える「カウチシート」を60席設定する。

 25日には、初号機が仏トゥールーズの最終組立工場からロールアウト。年内にも塗装作業を終え、2019年3月に引き渡す見通し。

 ANAのハワイ路線は、成田?ホノルル線が1日2往復と、羽田?ホノルル線が1日1往復の計3往復。一方、競合の日本航空(JAL/JL、9201)は、成田?ホノルル線を1日4往復、関西?ホノルル線を1日2往復、中部?ホノルル線を1日1往復運航するほか、成田?コナ線を1日1往復飛ばしており、3月25日に始まった夏ダイヤからは、ハワイアン航空(HAL/HA)とコードシェアを実施している。

ANAがホノルルに開設する自社ラウンジのエントランス(イメージ、同社提供)

ANAがホノルルに開設するANA LOUNGE内ファミリーエリア(イメージ、同社提供)

ANAのホノルルラウンジ設置場所(同社資料から)