成田空港発着増で合意=五輪、訪日客誘致に弾み―国、地元市町など / 2018年3月14日

成田空港の航空機発着容量を増やす計画をめぐり、国と千葉県、空港周辺9市町、成田国際空港会社は13日、千葉市内で「四者協議会」を開き、合意した。

 滑走路を新設するなどして年間発着容量を現在の30万回から50万回に増やす。2020年東京五輪・パラリンピックへの対応や、30年に訪日外国人を6000万人に増やす政府目標の達成に向け、弾みがつきそうだ。

 計画の柱は(1)3本目となる3500メートルのC滑走路新設(2)現在2500メートルのB滑走路を1000メートル延伸(3)夜間早朝の発着制限を緩和―。空港敷地は現在の1400ヘクタールから2400ヘクタールに拡大する。

 焦点だった夜間早朝の発着制限は、現在の「午後11時?午前6時」の7時間を、「午前0時半?5時」の4時間半に縮める。一方、地元の根強い反発に配慮し、騒音被害の大きい地域では運用時間をずらすなど工夫。航空機が上空を飛ばない時間を滑走路ごとに7時間確保する。

 また、東京五輪・パラリンピックを見据え、先行してA滑走路の発着制限を「午前0時?6時」の6時間に緩和する。

 合意を受け、国や空港会社は約10年後の完成を目指し、環境影響評価(アセスメント)などの手続きに入る。並行して周辺の住戸移転や、騒音対策拡充などを進める。