空港で荷物を預けて手ぶらで周遊――ICTを活用した訪日外国人向けサービス NECらが実証実験を開始 / 2018年2月 5日

東京空港交通、NEC、ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)は2018年2月1日、訪日外国人へのICTを活用した「おもてなしサービス」の実証実験を、成田国際空港と東京都内のホテルで行うと発表した。実証期間は2018年2月1日から約1カ月間の予定。

 実証実験では、訪日外国人が空港で荷物を預けて周遊する「手ぶら観光」を行えるよう、「IoTおもてなしクラウド」に自らパーソナルデータを登録することでスムーズな旅行を実現する。

 空港のリムジンバスの受付時に宿泊先ホテルへ「IoTおもてなしクラウド」を活用した情報連携を行い、適切なタイミングで荷物を配送することで、ホテル側の宿泊者受け入れ準備や管理の手間を削減するなど、旅行者と事業者双方の利便性を向上するサービスを検証する。

 今回の実証実験は、2020年に向けて外国人観光客が増加する中、多様な旅行のシチュエーションにおいて事業者間連携による利便性の高いサービス実現を目指して実施するもの。外国人のパーソナル情報と「手ぶら観光」に必要な業務情報(宿泊先ホテル、チェックイン時刻、荷物個数など)を組み合わせ、業界の垣根を越えた連携によるサービスモデルの創出を見込む。

 3者は2017年2月、ホテルオークラ東京、J&Jとともに、六本木・虎の門エリアで訪日外国人へのICTを活用した「おもてなしサービス」の実証実験を行っており、訪日外国人のパーソナルデータと交通系ICカードを連携させて、ホテルやレストラン、小売りなどのサービスを利用しやすくする仕組みを検証した。

 その検証結果を踏まえて、今回は「手ぶら観光」をモデルケースに、利便性の高い手荷物預かりサービスを提供するとともに、ホテルチェックイン時の手荷物管理の効率化を目指す。

 分担は、JSTOは東京地区の「IoTおもてなしクラウド事業」における実証事業の総括を行い、東京空港交通はリムジンバスによる成田国際空港からの旅客輸送、都内ターミナル駅までの手荷物配送、自社システムを仲介した「IoTおもてなしクラウド」の活用実証を行う。NECは、「IoTおもてなしクラウド」と各種サービスの連携を支援する。