「ボーダーツーリズム推進協」設立へ、7月10日に総会 / 2017年6月27日

 産官学共同による「ボーダーツーリズム推進協議会(JBTA)」が7月に設立される。日本の国境および境界地域を魅力的な観光資源と捉え、同地域や隣国を訪れる「ボーダーツーリズム」を普及・拡大させるとともに、地域の活性化にも寄与することをめざす団体で、設立発起人代表はANAセールス常務取締役などを努め、現在はANA総合研究所客員研究員の伊豆芳人氏が務める。10日には羽田空港内の会議場で、設立総会と記念セミナーを開催する。

 伊豆氏によれば、設立当初の正会員数は20程度に上る見込み。民間企業はANAセールスやビッグホリデーなどの旅行会社、博多/釜山間で高速旅客船を運航するJR九州高速船などが入会するほか、海外の旅行会社も参加を検討しているという。研究機関は九州経済調査協会、ANA総合研究所、大学の研究所など、自治体は長崎県五島市や沖縄県竹富町などが入会する予定で、設立後は情報交換やビジネスの創出などに向けて連携する。

 7月10日に設立総会とともに開催する記念セミナーでは、北海道大学教授の岩下明裕氏が「ボーダーツーリズム・『さいはて』が出発地?旅の新しいかたちをめざして?」と題した講演を実施。観光戦略立案などを手がけるトラベルジップの代表取締役の大泉敏郎氏は、「特定のテーマに興味のある観光客の集客とリピータ化のポイント」について開設する。

 「ボーダーツーリズム」については、境界地域の自治体や境界研究者などにより2011年に設立された「境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)」が、15年6月にANAセールスの協力のもと一般旅行者向けのセミナーを開催したことがある。