外務省、中国人ビザをさらに緩和、「十分な経済力」で数次 / 2017年4月24日

 外務省は4月21日、5月8日から訪日中国人旅行者のビザの取得要件をさらに緩和すると発表した。「明日の日本を支える観光ビジョン」で定めている戦略的な緩和策の一環で、新たに「十分な経済力を有する者」への数次ビザ発給を開始するほか、「相当の高所得者」の数次ビザ取得要件の緩和などをおこなう。「十分な経済力」などの定義については、不正申請などを防ぐために引き続き公開しない方針。

 緩和する要件は5つで、中国国内に居住する中国人の個人観光客については、これまで「十分な経済力を有する者」とその家族が数次ビザを取得する際には、初回の訪問時において沖縄県、岩手県、宮城県、福島県のいずれかで1泊することとしていたが、この要件を廃止。初回の訪問目的を観光にすることだけを条件とした。有効期間の3年間については変更せず、1回の滞在可能期間は30日以内とした。

 「一定の経済力を有する者」とその家族に対しても、現在は初回の訪問時に沖縄または岩手県、宮城県、福島県のいずれかで1泊する場合に数次ビザを発給しているが、新たな対象地として青森県、秋田県、山形県を追加。あわせて、これまで義務付けていた過去3年以内の日本への渡航歴の要件を廃止する。なお、有効期限は3年、滞在可能期間は30日のままとする。

 「相当の高所得者」とその家族に対しては、現行の有効期間5年、滞在可能期間90日の数次ビザについて、初回の訪問目的を観光に限定せず、商用や知人の訪問などでも良いとする。また、旅行会社を介さずに自ら航空券や宿泊施設などを手配することを認める。

 また、クレジットカードのゴールドカードを所有する者については、個人観光1次ビザの申請手続きを簡素化。そのほか、中国国外に居住する中国人の個人観光客については、従来は1次ビザしか発給していなかったが、今後は中国国内に住む中国人と同じ要件で観光目的の数次ビザを発給する。