故福井謙一氏の遺品やメダルなど展示 京都大 / 2012年1月 9日

故福井謙一氏の遺品やメダルなど展示 京都大

日本人で初めてノーベル化学賞を受賞した故福井謙一博士(1918?98年)の遺品やノーベル賞のメダル、賞状の複製品などを並べた展示コーナーが京都市左京区の京都大福井謙一記念研究センターに完成し、6日に除幕式があった。折り込みチラシの余白を使った絶筆の研究メモもあり、博士の学問への情熱が伝わってくる。

 福井博士は、化学反応過程における電子の振る舞いを解明し、「フロンティア電子理論」として52年に発表、81年にノーベル化学賞を受賞した。

 展示コーナーは、センターの1階に設けられた。ノーベル賞関連の資料の他、研究室で使用していた机やいす、筆箱、タイプライター、書き込みが入った専門書や愛読書の複製品、写真パネルなどが並び、研究者としての足跡をたどることができる。

 除幕式に参加した妻の友栄さん(86)は「夫は技術の進化だけでなく、進化をコントロールする知恵も大事に思っていた。そのような人柄も展示から感じ取ってほしい」と話していた。

 閲覧は事前に申し込みが必要でセンターTEL075(711)7708へ。